はつり工として28年間従事した男性がじん肺で労災認定(管理4相当)

2026.08.11|相談事例

名古屋市在住、73歳のSさんが組合に相談に来られたのは、呼吸困難やせき、たんなどの症状があったためでした。Sさんは、長年にわたり建設現場ではつり工として働き、約28年間にわたってコンクリートを削ったり、穴を開けたりする作業に従事していました。

Sさんが使用していたのは、エアカッターやチッパー、ブレーカーなどの工具です。コンクリートを切断したり、穴を開けたりする作業では大量の粉じんが発生し、作業中には顔が白くなるほど粉じんが舞っていたといいます。

その後、Sさんは医療機関を受診し、じん肺について「管理3のイ」と判定されました。また、せきやたんが続いており、主治医からは「続発性気管支炎」と診断されていました。

そこで組合では、Sさんのじん肺について名古屋北労働基準監督署へ労災請求を行いました。しかし、請求に対して愛知労働局の労災協力医から「続発性気管支炎に必要な投薬をしていない」との判断が示され、いったん不支給となりました。

しかし、組合ではこの判断をそのまま受け入れることはできないと考え、認定基準を確認したうえで、労働局と粘り強く交渉しました。

続発性気管支炎の認定にあたって、必要な投薬を行っていること自体が認定の要件となっているわけではありません。また、どのような治療や投薬を行うかについては、患者さんの症状や状態を把握している主治医の判断によるものです。

組合からは、こうした点を繰り返し説明し、Sさんの症状やこれまでの粉じん作業の実態を踏まえて、改めて適切な判断をするよう求めました。

その後、Sさんについては肺機能の低下も踏まえて再度検討され、最終的に管理4相当として労災認定されることになりました。

Sさんは約28年間、コンクリートを切断したり、チッパーやブレーカーを使って穴を開けたりする仕事を続けてきました。

じん肺は、長年にわたって粉じんを吸い込むことで発症する職業性の病気です。建設現場では、コンクリートの切断やはつり作業など、粉じんが発生する作業が数多くあります。長年こうした仕事に従事し、せき、たん、息苦しさ、呼吸困難などの症状がある場合には、じん肺や労災の可能性を一度確認することが大切です。

今回のSさんの事例では、いったん労災が不支給となったものの、認定基準を改めて確認し、症状や治療内容について粘り強く交渉することで、最終的に労災認定につながりました。

「昔、はつり工や建設現場で粉じんを吸っていた」「じん肺と診断されたが労災になるのか分からない」「労災を請求したが不支給になってしまった」という方は、一人で悩まずご相談ください。

(2026年8月執筆)